2021年度 第74回 児童生徒生物研究発表大会 (2021年11月〜)

2021年度 第74回 児童生徒生物研究発表大会も参集ではなく、当サイトで発表内容を公開することで行うことになりました。このページでは、一覧と要旨を掲載し、11月30日には発表内容のPDFファイルを掲載しました。後日、学会メンバーによる講評を掲載予定。

 

2021年度 第74回 児童生徒生物研究発表大会 発表一覧

1. 手賀沼の魚の生態研究 パート3 ~タウナギ・ライギョの捕獲と飼育(3年目)~
  千葉県柏市立柏第一小学校 6年 大森千聡
2. 手賀沼水辺の生物調査(9年目の研究と成果) ~外来生物の生息域の変化~
  千葉県柏市立柏中学校 3年 大森瑛斗
3. ネジバナはどうしてねじれとまっすぐ両方があるのか 2019-2021 ~昆虫の関係から考える
  東京都千代田区立九段小学校 2年 熊谷緋沙子
4. 人間は空を飛べるのか
  東京都江戸川区立小松川小学校 6年 村岡真優
5. ソテツから作った木酢液によるカイワレダイコンの発芽促進に関する研究
  ドルトン東京学園中等部・高等部理科学研究同好会 2年 原田裕理
6. オンライン昆虫標本作成
  ドルトン東京学園中等部・高等部理科研究同好会 3年 小泉 菫
7. カメの厚さについて
  千葉県立長生高等学校サイエンス部生物班 1年 伊熊咲奈・片桐右京・清原敦希・野村明希人
8. カメの種類の違いによる行動の差について ~水中と陸上の違い~
  千葉県立長生高等学校サイエンス部生物班 2年 藤平望羽・青木洸人・渡邉雄太
9. 磁力が植物に及ぼす影響
  千葉県立長生高等学校サイエンス部生物班 2年 堀口凜花・髙橋優菜
10. 構内の樹木調査
  千葉県立船橋高等学校生物部 2年 野田歩夢・吉岡佑真・阿部朱加里・川合彪央・久保田至・辻 雪月 1年 濵﨑杏実・大石晃大・石川千夢・千歳葵葉・植村心美・小出真緒・細谷 凜・米津はるか・大田原華・佐々木遼太・富澤美空・土山 礼・羽戸帆夏・久保幸陽・本間朱里・前澤健太・山口陽愛
11. 団栗からのバイオエタノール精製
  千葉県立船橋高等学校生物部 2年 青木優里奈・相馬慎之介・松川研太郎・小島花音
12. 植物の生長と音の関係
  千葉県立船橋高等学校 2年 川合彪央
13. カビの繁殖のしやすさと種類・温度との関係
  千葉県立船橋高等学校 2年 比嘉ののか
14. ホテイアオイの生育と繁殖に最適な条件を探る
  千葉県立船橋高等学校 2年 上田ひなた
15. アサリの水質浄化機能と溶質の粒径の関係
  千葉県立船橋高等学校 2年 赤岸 樹
16. 眼のないヒドラはどこで光の方向を感じているのか? ~正の光走性の成り立つ仕組み~
  千葉県立千葉北高等学校生物部 2年 山田侑季・森本雄大・柿﨑璃一 1年山田華穂・大塚日愛・若林優羽
17. 柏市松ヶ崎城跡の植生と植物相
  千葉県立柏中央高等学校科学部 1年 南幅健汰・諸持湧太

2021年度 第74回 児童生徒生物研究発表大会 発表要旨および発表内容PDF

1. 手賀沼の魚の生態研究パート3 ~タウナギ・ライギョの捕獲と飼育(3年目)~

  柏市立柏第一小学校 6年 大森 千聡

 

私は、小さな頃から兄と手賀沼で生物調査をしてきました。今まで色々な水辺の生物を捕獲した時に、沢山の稚魚も捕獲しました。「こんなに小さな稚魚が、手賀沼でどうやって大きくなって行くのだろうか?」と思って研究を始めて3年目になりました。

今年も研究を続けていく中で、新たに発見がありました。手賀沼で大型になるライギョ、タウナギの稚魚を捕獲して、生息する場所、餌となる物を調査しました。

去年捕獲した物、今年捕獲した物を比較して、飼育する環境や餌を変えたり、観察をしました。与えるエサは、捕獲した場所から採取した小さな微生物やエサの大きさまで工夫して記録しました。

3年前から飼育している個体と去年から飼育した稚魚の成長スピードも記録して、環境で成長スピードも変わるのか?2年間記録して手賀沼の自然環境の豊かさを実感する結果となりました。

飼育して成長させる事により、生物が自分でエサを探し大きくなる事は、手賀沼が豊かな自然環境があると思いました。あらためて、手賀沼がもっときれいになって多くの生物が住めるようになって欲しいと思いました。

[講評]

お兄さんと手賀沼の継続調査はすばらしいことです。今回は除草剤による環境悪化でタウナギが採集されず、タウナギとライギョの飼育の報告でした。タウナギとライギョが何を食べたかは貴重な資料となります。手賀沼の水草の復活を妨げているのは、アメリカザリガニによる水草の食害も大きな原因です。水の館前のミニ手賀沼では、かつて手賀沼に生えていたガシャモクなどの水草復活に取り組んでいます。しかし、アメリカザリガニの食害でうまく進みませんでしたが、ナマズを入れた所、アメリカザリガニが激減しました。またナマズがザリガニを食べるだけでなく、捕食者がいるだけでザリガニの行動が抑制されてしまうようです。飼育の際にタウナギやライギョを水槽に入れたら、餌となる生物はどのように行動を変化するか。また視覚だけでなく捕食者の臭いも関係しているかもしれません。捕食者を飼育していた水を、餌となる生物の飼育水槽に入れると、餌生物の行動の変化が起こるかなど調べたら、新しい発見があると思います。発表には釣り上げたびっくりするような大きなアメリカナマズの写真がありましたが、写真だけで説明がありません。写真を載せる場合は、簡単な説明を入れてくれると有り難いです。これからも手賀沼の魚類調査継続し、発表されることを期待しています。(浅間 茂)

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PDFファイル 1.4 MB

2.  手賀沼水辺の生物調査(9年目の研究と成果)~外来生物の生息域の変化~

  柏市立柏中学校 3年 大森 瑛斗

 

私は、8年間手賀沼の水辺の生物や水性植物、水質等を調査してきました。9年目に入り、去年突然、手賀沼のハスが全滅するという環境の変化があり、過去のデータと環境の変化があった去年のデータと照らし合わせて比較したら、ハスの全滅によって手賀沼の生態系に大きな影響を及ぼしたと思われる傾向が見られた事がわかりました。

今年は、生態系に大きく影響があると思われる外来生物の増加、生息域の拡大が見られました。9年間、手賀沼の用水路等で、捕獲調査、水質調査、温度調査、目視調査を行ってきましたが、今年は、コロナ禍で調査に行く事が出来ない事もあり、今までの記録と照らし合わせる事に苦労しました。

しかし、外来生物を釣りに来る釣り人から、多くの情報を得て、今年は聞き取り調査を新たに加えて、今年の研究成果の発表に至りました。

[講評]

9年にわたって手賀沼の生物の変化や、魚類調査した用水路のTDSや気温・水温を調べた資料は貴重な資料となります。すばらしい調査内容です。外来植物のナガエツルノゲイトウやオオバナミズキンバイの分布の変化を数カ所地図上で示すことができればさらに説得力があります。ナガエツルノゲイトウは印旛沼から手賀沼に入り込み、そして手賀沼から利根川の下流域に水田の潅漑用水を通じて広がっています。沼だけでなく手賀沼周辺の水田にも入り込んでいます。

魚類の捕獲調査では、罠による捕獲、釣りによる捕獲、網による捕獲では捕獲される魚種が異なっていると思われますが、その違いについても説明が欲しい所です。捕獲調査のまとめのグラフですが、円グラフなどを使い分かりやすくすると、よりすばらしいまとめになるでしょう。継続はまさに力です。これからも研究を続けてください。発表を毎年楽しみにしています。(浅間 茂) 

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PDFファイル 1.0 MB

3. ネジバナはどうしてねじれとまっすぐ両方あるのか2019-2021 ~昆虫との関係から考える~

  千代田区立九段小学校 2年 熊谷 緋沙子

 

この研究はネジバナがねじれとまっすぐ両方ある理由についての研究です。まっすぐとねじれ、それぞれにとって何が得か調べました。

養分の節約のため短い茎でたくさんの花をつけるか比較や、5方向からの見え方比較の結果はどちらもねじれの方が得という結果でした。しかし、ねじれの方が得なことばかりならまっすぐがこんなに多いわけはないと思いました。

図鑑や論文ではハチが送粉者と書いてあるけど、見た目を気にしない夜に虫が来ていないか調べました。その結果、夜に何種類もの虫が訪れていたりカメムシの仲間やダンゴムシが花粉塊をつけている様子を確認しました。

夜の虫は動きが遅くまっすぐネジバナの方が移動しやすいので、まっすぐネジバナの方が受粉させやすいと思います。また、目の大きさの異なる網で覆って虫の種類を制限したネジバナの受粉率比較の結果からもまっすぐネジバナが存在する理由を考えました。ハチがいない環境でも確実に受粉できるようにするためまっすぐネジバナが一定の割合あるのだと思います。

[講評]

とても面白い研究ですね。ネジバナはとても身近な植物ですが、「ねじれ」と「まっすぐ」が存在する理由はまだまだ謎に満ちています。この研究では、さまざまな昆虫がネジバナの花を訪れ、さらに昼と夜でネジバナの花を訪れる昆虫の種類が違い、夜に訪れる昆虫の方が滞在時間が長いという発見がすばらしいと思います。また、花を訪れた昆虫の身体についている花粉塊まで確認されている点もよいと思います。カメムシやダンゴムシが花粉を運んでいるなんてびっくりしました。さらに金網をかぶせて「ねじれ」と「まっすぐ」の受粉率を比べた実験もよい着想だと思います。大きいハチが入れない金網の中では「ねじれ」より「まっすぐ」の方が受粉率が高いという考察はとても興味深いので、本当にそこまで言い切れるのかどうか、できればもう少し実験を重ねてみてほしいと思います。今後の発展が楽しみです。(尾崎煙雄)

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4. 人間は空を飛べるのか

  江戸川区立小松川小学校 6年 村岡 真優

 

鳥を見て、人間も飛べないかと思い、まず鳥のからだの構造とはたらきについて調べることにした。

鳥の羽と翼や筋肉、骨の仕組みなどを調べてみて、鳥は飛ぶために適した体になっており、人間が今の体の構造のままで羽ばたいて飛ぶことは難しいことがわかった。

しかし、人間もある大きさの翼をもてば滑空ならできるかもしれないと考え、いろいろな鳥の体重と翼長の関係を調べたうえで人間が飛ぶのに必要な翼長を算出した。

その結果、人間(体重40㎏の小6女子)が飛ぶのに必要な翼長は全長10ⅿだということが分かった。

[講評]

空を飛べる動物、うらやましいですね! 鳥の行動や体に隠された工夫について、体の外から迫る方法(動画解析・羽根の観察)と、体の中から迫る方法(胸筋の解剖・骨密度の比較)を組み合わせた点が優れています。

野外には、さまざまな飛び方の鳥がいます。また、泳ぐのが得意な鳥もいます。いろんな鳥の行動や体を観察して、それぞれの工夫を探ってみると、さらに面白い発見があるかもしれません。また、人間が飛ぶのに必要な翼の長さの推定、興味深い結果でした。翼は、長さだけでなく形も大切です。戦闘機やグライダーの翼が、なぜそんな形をしているのかを考えると、今後の研究に役立つと思いますよ! さらなる発展を楽しみにしています。(平田和彦)

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5. ソテツから作った木酢液によるカイワレダイコンの発芽促進に関する研究

  ドルトン東京学園中等部・高等部理科学研究同好会 2年 原田 裕理

 

現在、私は国境を越えた中高生の共同研究プロジェクトTSUNAGU Research Project(つなぐリサーチプロジェクト)に参加している。SDGSの観点からパームヤシ廃材の有効活用の研究をしており、廃材から木酢液をつくることを検討している。

木酢液とは、木炭を新しい空気が入らないようにした状態で加熱したときに出てくる液体であり、植物の生長を促進させる効果がある。しかし、パームヤシは赤道近くでないと栽培ができないため、簡単に入手することができない。そこで原料を入手するまでの予備実験として、同じヤシ科のソテツで木酢液をつくることにした。具体的にはソテツを丸底フラスコで乾留し、木酢液をつくった。これを10~1,000,000倍希釈した溶液でカイワレダイコンを育てたところ、水だけで育てたときよりも生育が促進された。今後は、この実験系でパームヤシの木酢液の効果を調べたい。

[講評]

木酢液は、水分以外は多様な有機物で構成され、植物の成長促進、抗菌作用などいろいろな有用性が知られ、多くの場面で利用されています。経験的なものも多いため、科学的に効果を確認することは大切です。研究の動機や目的、方法などがしっかりとまとめられ、完成度の高い研究報告です。発芽とその後の成長で、植物にとって必要な条件が異なりますので、これらを分けていることもよいと思います。この実験では、種子数が各10個ですので、基準となるコントロールも含めて、種子数や実験回数を増やして一般性を高めておくとよいと思います。木酢液の濃度が高いと、酸性による影響が考えられますので、これも確認しておくとよいでしょう。パームヤシの有効活用という背景のもと、ソテツ木酢液による研究を丁寧に行っておりますので、これからの発展を期待します。(永嶋幸夫)

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6. オンライン昆虫標本作成

  ドルトン東京学園中等部・高等部理科学研究同好会 3年 小泉 菫

 

新型コロナウイルス蔓延防止のためオンライン授業の形式をとっていた。私が通うドルトン東京学園は、「ラボラトリー」という探究に専念できる時間が授業後に組み込まれている。そこで理科の教員による「オンライン昆虫標本学」が開講されていたため、昆虫に興味のある私は参加した。

好きな環境で作業ができるというメリットがある反面、直接見てもらいながら正確に進めることは困難であったが、全3回のラボの時間内で、必要な道具を揃え、昆虫の採集を行い、内臓の取り出しや展翅・展足をするなど、一連の昆虫標本の作成方法を学ぶことができた。

甲虫目、チョウ目、バッタ目に属する採集してきた昆虫5匹に対し、それぞれに適した標本の作成方法を実行した。ここでは、家にいながらオンラインで学校と繋ぎ、作成を進めた昆虫標本やその過程について報告する。

[講評]

日本産だけでも3万種以上が知られている昆虫は生物界で最も多様なグループの一つです。これだけ多様な昆虫を正確に同定し記録するためには標本の作成が欠かせません。中学校のカリキュラムの一環として昆虫標本作成ができるなんてすばらしいことですね。初めてにしてはきれいに展翅、展足ができていて上手だと思います。また、きちんとデータラベルをつけている点もよいと思います。できれば、データラベルは「昆虫の付近」ではなく、昆虫の身体に刺した昆虫針に刺すようにしてください。標本とデータが離ればなれにならないようにするためです。同定についてですが、キアゲハとしたチョウはアゲハ(別名ナミアゲハ)のようです。また、大きい方の甲虫はアオカナブンとは別のコガネムシの一種のように見えますが、写真では判別できませんでした。ぜひ今後も標本作りに取り組んでみてください。千葉県立中央博物館のウェブサイトには昆虫標本の作り方を動画で紹介するコンテンツもありますので、よかったら利用してみてください。(尾崎煙雄)

https://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/special/insect_preparation/index.html

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7. カメの厚さについて

  千葉県立長生高等学校サイエンス部生物班 1年 伊熊 咲奈・片桐 右京・清原 敦希・野村 明希人

 

私たち長生高校サイエンス部生物班は毎年、茂原公園でカメの調査を行っている。昨年度、カミツキガメとクサガメとミシシッピアカミミガメそれぞれの腹甲の大きさについて、縦横比、縦・斜めの比を算出し、比較したところ各種の運動性との関連性が示唆された。

フィールド調査の際、月ごとにカメの厚みが変化しているように感じた。私たちはその原因は主にメスの体内にある卵にあると仮定し、カメの厚さと、繁殖期におけるクサガメとアカミミガメの厚みと重さ、大きさとの比について、種間の比較や雌雄の比較、月ごとの推移を分析した。

[講評]

これまでの測定データから、淡水生カメ類2種の形態変化についてまとめた研究といえます。特に産卵期の雌の形態変化に着目した点は、とても面白いと思います。捕獲したカメ類のデータ数が少なかった月があったようなので、来年以降も調査を継続し捕獲しデータ数を増やすことで、月ごとの差や雌雄の差が新たに見つかるかも知れません。一方、図から判断すると、体高と背甲長の比率には大きな個体差がありそうなので、同一個体を用いてその変化を追跡できるといいですね。また、産卵期間や回数は環境条件により変化するので、茂原公園のカメ類で調査できれば、産卵前後の形態変化の理解が深まるものと思われます。今後の研究の進展を期待しています。(小賀野大一)

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8. カメの種類の違いによる行動の差について ~水中と陸上の違い~

  千葉県立長生高等学校サイエンス部生物班 2年 藤平 望羽・青木 洸人・渡邉 雄太

 

昨年度、私たちはカメが防御姿勢から復帰する時間について、クサガメとミシシッピアカミミガメいついて比較した。クサガメは全体的に早く復帰し、一方でミシシッピアカミミガメのメスが特に復帰が遅いことを報告した。また、陸上ではなく水中では両種とも陸上よりも早く復帰するが、陸上で見られた種間の差に関する傾向は同様だった。

本年度は、陸上に比べて水中での復帰が早まる原因について調べるために、透明なコンテナと青色(不透明)のコンテナを準備して、周囲の視野が見えるときと見えないときの復帰の早さを比較した。

その結果、青色コンテナの方が有意に早く復帰することがわかった。これにより、カメは水中において泳ぐ方が得意だから早く復帰するのではなく、周囲の視野が見えにくくなり安全の判断が甘くなるため早く復帰すると示唆された。

[講評]

アカミミガメとクサガメの行動に関して、防御という視点から行った研究といえます。結果は統計処理がなされていて、わかりやすい図になっています。日本に生息する淡水生カメ類は、実験に用いた2種のカメ類を含めて、近年特定外来種のアライグマにより各地で捕食され大きな問題になっています。アライグマのいる北アメリカから来たアカミミガメとその他のカメ類との行動の違いを原産地から考察してみると面白いかもしれません。特に、在来種のニホンイシガメはアライグマの捕食による四肢の欠損割合が高いという報告もあるので、保全に役立つ研究につながる可能性があります。茂原公園の池ではイシガメの捕獲は難しいと思いますが、ご検討下さい。(小賀野大一)

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9. 磁力が植物に及ぼす影響

  千葉県立長生高等学校サイエンス部生物班 2年 堀口 凜花・髙橋 優菜

 

私たちは磁力が植物に及ぼす影響について研究している。先行研究で電波が植物の成長に影響を与えることがわかっているため、磁界を変化させる磁石でも同様の影響があると考え、実験を行った。

遮光可能な箱の左端に磁石を置き、種をまいた。1つ目の実験で、発芽後のネギの根の長さへの影響を調べ、磁力が大きい方が根の成長が抑制されることがわかった。2つ目はネギと小松菜の発芽後の根の長さへの影響の違いについて調べた。結果は、小松菜は磁石の影響を受けていないことがわかった。

また、この実験の観察から角度に差があることがわかったため、3つ目の実験ではネギと小松菜の発芽後の根のまがる角度について比べた。ネギには変化がなく、小松菜は角度が小さくなった。これらの実験からカイワレダイコンとネギは長さに、小松菜は角度に影響を与えることがわかった。

今後、個体数を増やして発芽率を調べる実験や磁力線の角度に対する根の角度についても調べていく。

[講評]

磁力と生物との関係は,永遠のテーマと言ってもよいくらい興味が尽きないものです。人体や渡り鳥など,動物との関わりだけでなく,植物に対する影響もずっと興味をもたれており,似たような実験も見られますが,まずはこの研究のように自分たちでいろいろ試すということが大切です。ネギは単子葉類なので,アブラナやカイワレダイコンとは根の形態学的特徴が違います。また,「根の角度」というのが具体的にはよくわかりませんでした。ネギの長さが影響を受けたのは今のところ確かのようですから,この点をさらに突き詰めてゆくのもよいでしょう。口頭で質疑を交わしたかったですね。(西田治文)

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10. 校内の樹木調査

  千葉県立船橋高等学校生物部 2年 野田 歩夢・吉岡 佑真・阿部 朱加里・川合 彪央・久保田 至・辻 雪月

  1年 濱﨑 杏実・大石 晃大・石川 千夢・千歳 葵葉・植村 心美・小出 真緒・細谷 凛・米津 はるか・大田 原華・佐々木 遼太・富澤 美空・土山 礼・羽戸 帆夏・久保 幸陽・本間 朱里・前澤 健太・山口 陽愛

 

千葉県立船橋高等学校の百周年を記念し、生物部員23名で校内に植えられた木346本を対象として樹木調査を行った。

校内のマップを作り、木に番号を振り分け、葉の形や幹を元に、図鑑・インターネットを用いて種類を同定した。歴史が長いからこそ、植えた時期や大きさ、種類の様々な木が見られ、この調査を通じて木の分類についての知識や方法が身についた。

調査結果は、記録として残すとともに、今後新たな木や花を植える上での参考としたい。また、結果を元に樹木にネームプレートをつけ、他の生徒の関心も広げていきたい。

[講評]

船高OBの私は母校の校庭をなつかしく思い出しました。195本の樹木を調べた努力はすばらしいと思います。惜しむらくは、樹木の種名に間違いがあるように思われることです。たとえばトゲガシやシマトベラは本当に生えているのでしょうか。また、ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ、アベリアは同じものを指していると思われます。花や果実の特徴を確かめたり、押し葉標本を作って詳しい人に見てもらうなど、正確な同定に挑戦してください。もう一点、相対照度が100%を超えている場所がいくつかありますが、これは原理的に有り得ないことです。相対照度の測定には、照度計を2つ用意し、各地点の照度を測るのと同じ瞬間の全天照度を毎回測る必要があります。また、「展望」で触れられているとおり高木と低木は区別して考察した方がよいでしょう。インターネットのGoogle Earthや地理院地図を利用して過去の航空写真を見ると、過去の校庭の様子がわかりますので、今ある校庭の樹木の来歴を推理してみたら面白いのではないでしょうか。樹木の多くは長生きですから、みなさんが作った樹木のリストも長く活かされるものになります。どうか根気よく取り組んでください。100周年にふさわしい成果を期待しています。(尾崎煙雄)

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11. 団栗からのバイオエタノール精製

  千葉県立船橋高等学校 2年 青木 優里奈・相馬 慎之介・松川 研太郎・小島 花音

 

人が普段は食べない物からバイオエタノールを作ることが出来れば、食料を無駄にしないだけでなく、資源の有効活用も出来る。

そこで私達は、学校で見られる3種類の団栗(マテバシイ、スダジイ、シラカシ)から、米麹を使いバイオエタノールを精製することを試みた。3種類ともアルコールを精製することが出来たが、マテバシイとスダジイのアルコール濃度が 20%代だったのに対し、シラカシのアルコール濃度は 35%と高い値になった。シラカシには団栗に含まれる加水分解性タンニンの含有量が多いため、それがアルコール濃度に影響を与えるのではないかと考える。

今後はシラカシのみアルコール濃度の値が高くなった原因を調べていく。また、これらの実験により、資源を無駄にしない事の再喚起に繋がると考える。

[講評]

植物の果実や種子は,炭水化物を高純度で含むので,この点ではほぼ全ての植物が作る結実器官はエネルギー源となり得ます。日本は,どんぐりを作るブナ科の樹木が豊富なので,材料として良いところに目をつけました。これらの樹木は都市の植栽にも頻繁に使われる一方で,街中に落ちているどんぐりは動物が消費しきれないほどです。これらの利用を図るための基礎研究として役立ちそうです。発酵生物にはいろいろな種や品種があり,得意不得意もありそうです。昔ながらの渋抜きでタンニンを除き,シラカシについての仮説も検証できるかと思います。また,いろいろなどんぐりを混ぜて発酵させるほうが,実用化を考えるなら現実的かもしれませんね。(西田治文)

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12. 植物の生長と音の関係

  千葉県立船橋高等学校 2年 川合 彪央

 

植物は光を感知することが知られているが、聴覚的な能力も持っているのか疑問を持った。

そこで、本研究では植物の茎の生長が周囲の音に影響を受けているのか確かめることを目的とした。

方法は、カイワレダイコンを音ありと音無しの環境に分け、音ありでは音波実験用発振・増幅器を用いて140Hzの音波を流し続け、一週間生長を観察し、茎の長さを計測した。結果として、茎の長さの平均に大きな差は無く、植物の音に対する屈性も見られなかった。

音ありの方では発芽の遅い株や発芽しない株が比較的多く見られたため、今後は、音と発芽の関係について研究していきたいと考えている。

[講評]

「音楽や騒音、声かけなどが植物の生長に影響を与える」という言説は昔から科学的根拠の乏しいままに流布していましたが、この研究では振動という計測や再現が可能な形に単純化することにより、科学的な検討の対象とすることに成功しています。仮説を検証するための条件設定などもよく考えられており、科学研究の基礎をしっかり身につけている様子がうかがえます。今後、以下の点に注意して研究を進めていただければと思います。

1)シャーレの水がよく振動する周波数を探っていますが、液体を容器内で振動させる場合、液体の深さと容器の大きさによって特定の周波数で共振します。つまり、今回使用した周波数は、実験用に用意したシャーレの大きさと入れた水の水深により決定された数値であり、「水に浸した脱脂綿の上」というまったく違う条件にあるカイワレダイコンが受ける振動の強弱とは関係がありません。

2)発芽率については、たしかに音なしのほうが高くなっていますが、同じ「音あり」の1回目と2回目の差が著しく大きいのが気になります。これは、「音あり」「音なし」以外で発芽率を大きく左右する条件が見落とされている可能性を示しています。正確なデータを得るためには、この「見落とされている条件」を発見し、そろえる必要があります。

3)音の振動が茎の生長促進に与える効果については、このデータからでは「わからない」と考えるのが正しい解釈と思われます。(斎木健一)

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13. カビの繁殖のしやすさと種類・温度との関係

  千葉県立船橋高等学校 2年 比嘉 ののか

 

身の周りでよく見かけるカビは黒いものが多いと感じることから、黒いもの以外のカビの種類を知りたいと思った。また、気づいたら食べ物などに生えているカビを見て、いつどのようなタイミングで繁殖するのかと感じた。これらの疑問から私は身近なカビに興味を持ち、カビの広がり方や種類について調べていきたいと考えた。

一般に、梅雨や夏のような暑い時期には、食べ物が腐敗したり、カビが生えたり、食中毒が起きたりしやすい。このことから、気温が上がると身の周りにあるカビは繁殖しやすくなるのではないかと考えた。そこで、温度を変化させたときにカビが繁殖する面積を、カビの種類ごとに調べた。その種類については、空気中のカビを繁殖させた上で、そこから5種類のカビを選んで実験を行った。この実験の結果を踏まえて今後、異なる種類のカビを同じシャーレ内で繁殖させたときの様子を観察したり、実験で用いたカビの大まかな種類を特定したりしていきたい。

[講評]

研究の題材を身近なところから見いだすというのは、大切なことです。培養データから見ると休みの日も登校しておこなったようで、研究をすると避けられない良い経験になったと思います。今回のカビの実験では、4種類のカビの生育条件として、生育条件としての適温と種類による適温の差などを導き出しています。これらのカビが自然界で生育している状況と今回の実験結果が結びついていると面白いですね。カビの研究はたくさんありますので、先行研究(専門的なものでなくても)を示して、目的や実験方法を説明すると今回の実験のねらいがより明確になるでしょう。方法については、もう少し具体的に記載するとわかりやすいと思います。サブロー寒天培地を選択した理由、異なる温度条件は同時並行で行ったものかどうか、などです。今後の展望にも書かれていますように、科学的な研究として進展させるには、カビの種を同定することが必要になってくるでしょう。今後の発展を期待しています。(永嶋幸夫)

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14. ホテイアオイの生育と繁殖に最適な条件を探る

  千葉県立船橋高等学校 2年 上田 ひなた

 

強い繁殖力と水質浄化作用を併せ持ち、「青い悪魔」の別名を持つホテイアオイの生態に興味を持った。本研究では、成長速度と温度・生育場所の関係に着目し、生育可能範囲・成長の最適温度を明らかにすることを目的とした。

春と夏、ひなたとひかげで飼育し、成長速度を比較したところ、温度における生育可能範囲は18~30℃であることが明らかになった。また、18、24、28、30、32℃で葉・浮袋それぞれ最長部分の長さを21日間測定し比較したことで、24℃と28℃が成長に適することが分かった。また、ストレスを感じることによって浮袋の裏に蓄積されるアントシアニンの濃度は24℃より28℃の方が低かった。更に、水中と土壌それぞれで飼育した個体のアントシアニンの濃度を比較したところ、土壌の方が低かった。

これらのことから、ホテイアオイの成長における最適温度は28℃、また、生育場所に土壌が適することが明らかになった。

[講評]

ホテイアオイの生育至適温度に着目し、栽培実験による温度別・部位別などの詳細なデータが得られている点は大きな成果です。アントシアニンの抽出、吸光度測定による定量化など、科学的な手法を駆使して論理的な結論に結びつけている点など優れた研究手法は、研究の経験が深いことも示唆しています。実験全体が綿密な計画に基づいて実施されており、計画性も含めて高く評価できます。得られたデータのまとめ方も秀逸で、結果も明確に示し、わかりやすい考察につなげています。今後の展望を明確化するなど、研究の発展性にも期待が高まるとりまとめは、本研究の意義や魅力を効果的に引き出すことに成功しています。

ホテイアオイについては、水質浄化、刈り取り植物体の資源化などさまざまな視点からこれまでに数多くの論文が発表されています。温度感受性などの研究報告もありますが、実験の環境条件により差異が生じることは明らかです。今後、既存の研究成果も参考にすることにより、これまでの知見との差異の要因を探れば、さらに踏み込んだ検証も可能になり研究の奥行きをより一層深めることも可能です。今後の研究がより高次元に達することを楽しみにしています。(林 紀男)

 

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15. アサリの水質浄化機能と溶質の粒径の関係

  千葉県立船橋高等学校 2年 赤岸 樹

 

アサリなどの二枚貝は、濾過摂食によって水質を浄化する能力を持っている。私が本研究を行おうと思ったのは、1年前、このアサリの能力を授業の実験で目の当たりにしたことがきっかけである。その実験から私は、アサリがどのような方法で水質を浄化しているのか、吸収する物質によって浄化の度合いに違いが生じるのか非常に興味を持った。

予備実験を行い、牛乳や絵の具に対してアサリは高い水質浄化機能があることを確認した。また、絵の具は牛乳よりも海水の浄化の度合いが高くなる傾向にあり、本研究を継続した。この浄化の傾向は溶質の粒径に関係があると仮説を立て、様々な粒径の溶質でさらなる実験を行った。本研究ではアサリの濾過摂食について、溶質の粒径によって海水の浄化の度合いに違いが生じるのかを検証した。

[講評]

アサリに水質浄化作用があることは良く知られていますが、予備実験を通して溶質の粒径によって浄化速度が異なるという仮説を立て、粒径の異なる溶質を用意して仮説の検証を行うという、科学的思考に沿った実験計画がとても良いと思います。透明度の変化を溶液の体積の変化で見ている点も工夫がみられ、実験を三回繰り返して平均を取っている点も、実験の再現性を確認するうえで重要なことであり、とても良かったと思います。今後の展望でアサリの生体への影響の有無を調査とありますが、溶質の種類による影響を見るということでしょうか。例えば、クロレラの場合、120分までは浄化が進みますが、それ以降は浄化が進みません。微生物であるクロレラはアサリの食糧にもなるので、その影響があるのかもしれません。実験開始時の濃度を下げるなどいろいろ試してみて、溶質の種類による影響を減らす工夫をしてみてください。粒径の影響について結論が出たのちには、色々な条件を変えて比較する実験が考えられ、今後の発展も期待できます。(朝川毅守)

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16. 眼のないヒドラはどこで光の方向を感じているのか? ~正の光走性の成り立つ仕組み~

  千葉県立千葉北高等学校生物部  2年 山田 侑季・森本 雄大・柿﨑 璃一

                                  1年 山田 華穗・大塚 日愛・若林 優羽

 

ヒドラ(刺胞動物)は正の光走性を示す。では、眼のないヒドラは体のどこで光の方向を感じているのだろうか。本校生物部では、ヒドラの光走性について研究を続けている。   

ヒドラの触手を切除すると光走性を示さない。これにより触手の可能性が大きくなるが、触手は運動器官でもある。感じているが動けないだけかもしれない。

頭部(口丘とその下部)や足盤を切除し実験を行った。その結果、頭部で光の方向を感じていることがわかった。

[講評]

切り刻んでもそれぞれの部位が生き残る再生能力の高いヒドラの性質を利用して、光を感じる部位を明らかにしようとする試みは、非常に理にかなった実験だと思います。動きの遅い走光性を、タイムラプス撮影を行うことにより600倍の速度で見られるようにした点も、非常に良い工夫だと思います。ただ、いきなり「眼を持たない刺胞動物・ヒドラがどこで光の方向を感じているのか」という研究目的や、実験方法の切除箇所が決められているのは唐突に感じます。この実験の目的と実験内容に至った過程の説明があるとより良いでしょう。おそらくは、対照実験の走行性と動きを観察して、移動に必要な部位や、光を感受する部位を予想したのではないでしょうか。対照実験から仮説を立て、仮説の検証のためにどこを切除するのが適切かという論理構成にするとよいと思います。今回の結論としてヒドラが触手と頭部で光を感じていることがわかりましたが、どのような仕組みで感じているのでしょうか。光に向かって移動することに何か利点はあるのでしょうか。様々な興味を掻き立ててくれる良いテーマだと思います。今後の進展に期待します。(朝川毅守)

 

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17. 柏市松ヶ崎城跡の植生と植物相

  千葉県立柏中央高等学校科学部 1年 南幅 健汰・諸持 湧太

 

本校近くの松ヶ崎城跡は森林と草地からなっており、自然がまとまっていることが特徴である。都市化が進む地域に残されている自然を調べることに意味があると思い、本研究では松ヶ崎城跡の植生と植物相を明らかにすることを目的とした。

調査の結果、松ヶ崎城跡の森林植生は、スダジイ・アカガシ・シラカシが優占する照葉樹林、スギ植林、クヌギ・ムクノキなどの落葉樹林であった。照葉樹林にはモウソウチクが入り込んできており、少し荒れた状態になっていた。草本植生は、高茎草本植物群落、ワラビ群落、カラムシ群落、アメリカスズメノヒエ‐シバ群落、カゼクサ‐オオバコ群落の大きく分けて5つのタイプに分かれた。本地域に出現した植物は168種で、そのうち木本植物が44種,草本植物が112種,シダ植物が12種であった。

松ヶ崎城跡の植生は、人の手が入り、整備をされている所もあるが、森林や草原があり自然が多く残されていることがわかった。 

[講評]

人間活動の影響が大きく影響する都市域において、いつ、どこに、どのような植物が生育していたのかを記録しておくことは、非常に大切なことです。また、今現在生育している植物の種組成から、今後どのように植生が遷移していくか把握することも、自然を守る上で貴重なデータになります。今回の調査は大きく分けると、階層毎の植生調査と、調査地全体の植物相調査の二つに分けられると思います。植生調査では、日当たりのよい南向き斜面に常緑広葉樹林が出現するなど、この地域の特徴をよく示したデータが得られていると思います。考察では、後継樹の存在についても触れられていますので、可能であれば、高木層と亜高木層に限らず、低木層も含めて胸高直径のデータを種ごとに記録し、ヒストグラム(太さ階級別の本数をグラフ化する)に示すとよいでしょう。また、植物相調査では、168種もの植物が記録できたようですので、全種のリストは別にまとめて記録に残しておくと、将来的に種組成の変化を比較する上で、役立つと思います。(水野大樹)

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『千葉県いきものかんさつガイド』表紙
2018年2月刊行の千葉県生物学会70周年記念出版『千葉県いきもの かんさつガイド』(たけしま出版)の表紙